インテルの処分に思うこと

インテルへの処分が発表された(UEFA.com)

イングランドは85年のヘイゼルの悲劇により欧州フットボール界から締め出された。にもかかわらず、89年のヒルズボロの悲劇を起こしてしまう。共にリバプールが関与したものだ(16年経った今でも、昨日までは公式サイトのトップページに死者の名前を記して冥福を祈っていました)。

以来、チケットは会員制販売になったり、スタジアムからは立見席が消え、セキュリティルームと監視カメラが導入された。入場もゲート制限を行って安全を確保している。今でこそ女性や子供、老人の姿がスタジアムに見られるが、そういう姿が戻ってくるまでに長い年月を要してしまった。もちろんその間、イングランドは低迷を続けた。

イタリアに限らずドイツでもスタジアム内の安全性が問題になっているし、中国で開催されたアジアカップ北朝鮮でのイラン戦ではコイン、ペットボトル、石が飛んできたという(南米ではさらに小便入りの瓶が飛んでくるとか)。それぞれに異なった背景はあるが、死傷者が出たかどうかの問題ではない。普通にフットボールを楽しめる環境が大切なのだ。

幸い日本のスタジアムは、多くの人がフットボールを楽しめる環境にある。至極あたりまえの状況だけど、この世界に誇れる点を守り続けて欲しいと願う。

(´-`).。oO(リバポ引分けじゃだめなんだよ...)

#おまけ
デコ負けるなよ(livedoorスポーツ)

悲報

「トータルフットボール」のミケルス氏が死去されました。

クライフを擁し74WC準優勝、オランダ・トリオと呼ばれたグーリットファンバステンライカールトを擁し88欧州選手権優勝に導いた監督です。

この監督なくしてあれほど見事なフットボールに昇華できたでしょうか?

魅力的なフットボールを志向する監督が一人でも増えて欲しいと願います。
心よりご冥福をお祈りします

ヨハン・クライフ

一昨日のエントリを書いている時に、なにかクライフのことを書きたいと思った。でもクライフの「美しく勝利せよ」は、友人に貸したらどこかへ消えてしまった。そこでネットで配信されている、1974WCオランダvsブラジル戦を久しぶりに見てみた。
「WC名勝負物語のサイト」で見ることができます)

既に語りつくされたこのゲーム、トータルフットボールを唯一実践できたチームとして語り継がれるオランダが完膚なきまでにブラジルを撃破した貴重な映像で、忘れた頃に見返すことがある。

前線からのボール狩り(プレス)とオフサイドトラップの組み合わせ、めまぐるしいポジションチェンジ、選手に求められる攻守両面の資質と戦術眼、そしてもちろん高度なテクニック。現代フットボールのあらゆる要素が凝縮されているから。

監督としても一流であったクライフは、バルサだけでなく、スペインのフットボールに革命をもたらす(大げさな表現かもしれませんがそう思っています)。

90年代前半までは細かいパスをゆったりとつなぐスタイルで欧州中堅国から抜け出せなかったスペイン、クライフがバルサの監督になっていなかったら今の攻撃的なスタイルは存在しえなかったとまで想像している。

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今朝続きを書こうとしたら、凄いエントリを見つけました。

「名将気取り」というblogの「スペクタクル礼讃」です。
私が似たようなものを書くより、こちらの名文をお勧めします。
こちらのblog、フットボールへの愛情を感じるエントリばかりで脱帽なのです。

バーレーン vs イラン 0−0

BSのバーレン vs イラン戦を見た。ビデオがぶっ壊れているので、最後の方はFootball CXと掛け持ちだったけど。

ともにクロアチア人監督が率いる両チームの戦い、なかなか見ごたえがあった。普段から2つのチームを見ているわけでもないので、見たままの印象を書いてみる。

フォーメーションは、イランが4−2−3−1。ダエイの1トップを軸にカリミ、マハダビキアらのタレントが脇を固める。状況に応じて4−4−1−1や3トップに変化するこのシステム、とくに3バックに対してサイドで優位に立てると言われる。

一方のバーレーンは4−4−2のボックス。イランのフォーメーションに合わせ3バックを嫌ったのか、今後もこのシステムを採用するのかは分からないが、アジアカップ時のやや変形の3−5−2から変わっていた。

内容は序盤から激しい中盤の主導権争い。両チームとも一杯にDFラインを上げているので中盤のスペースがなく、激しい局地戦が次から次へと勃発する。

とくにバーレーンはサイドに思い切って人数をかけ、パスコースを限定してしまう。あっという間にボールに2−3人の選手が寄せてしまいスペースを与えない。急造のフォーメーションかもしれないが、かなり守備面で意思統一がなされているように思えた。

イランはなんとか局面を打開しようとするが、すぐにテクニックで打開するしかない状況に追い込まれる。かなりのテクニシャン揃いであるイラン人プレーヤーの突破を簡単に許さないばかりか(グランドがぼこぼこしていたのもイランにとってマイナスだったと思う)、バーレーンの高い位置でボールを奪って手数少なくゴール前に殺到する意図が目だった。

そしてバーレーンはとにかく早い。早いがゆえにとくに攻撃面で確実性に劣る部分があり、また時間の経過とともに中盤がルーズになっていくが、チームがまとまり始めると日本にとってかなりの脅威になることは間違いないと感じた。

アウェーであってもイランが優位だろうという先入観があったので、バーレーンのいいところばかり目についた内容になってしまったが、さすがに名監督を多く輩出するといわれる旧ユーゴの監督同士の戦いであったと思う。

(´-`).。oO(わがジーコ監督はどういう対策を練るのかなぁ...)