日本2−0カメルーン

アジアカップが終わりテスト色の強いゲーム。それなりに高温多湿でサッカー向きとはとても言いがたい条件だったが、日本に有利に働いていたように感じた。新しく呼ばれた人、復帰した人がいたが、来年以降のスケジュールを考慮するといいタイミングと対戦相手で起用されたと思う。おそらくは当初からのプラン通りなのだろう。


前半は、カメルーンのフィジカルにハーフ・カウンターと素早いボール回しで対抗する展開。日本の弱点である前線もある程度機能していたと思うが、試合そのものはややカメルーン優勢。日本が先制したことで前に出てくるカメルーン。自然とスペースが出来て、前田遼が前線の広い範囲に顔を出してゲームを作り、田中達や大久保のスピードが生きる展開に。大久保の役割がはっきりしていないように感じたが、適応力を試されていたのだろうか?個人的に懸念していた守備も綻びを見せるほどではなかった。


後半に入り、カメルーンの圧力が強まる。相手のフォーメーション変更に合わせたことで日本の中盤のプレスが弱まり、ほぼ完全にゲームを支配される展開に。フレッシュな選手を次々に投入するが、状況を改善するに至らない。ゲームを完全に支配された中でハードワークしていた山瀬のリスタートからのゴールで逃げ切るが、90分を通して内容的には負けていた。


フィジカルの差を痛感したが、それがそのまま両者の差となって現れている。日本人がトップリーグで活躍できない大きな理由でもあるが、それを埋めるためにいかに組織としてプレーや判断のスピードを上げていくか。そしてどういう選手を起用していくのか、注目してみたい。

コレクティブなプレーの中で、個人のクオリティーをどう結び付けるか。強い相手と対戦するときに、個々のクオリティーが問題になる。カメルーンの選手との1対1でのボールの奪い合い、スピードの比較。さまざまな部分で考えるべきポイントは少なくなかったと思う。

しかし、われわれは残念ながら、攻撃的なグループ、守備的なグループに分かれてしまっている。中盤では、サイドの右と左はまずまずだったが、カメルーンがプレッシャーをかけてきたら、問題がどんどん出てきた。特に中盤の攻撃的な選手とFWの選手は、所属チームでディフェンスすることに慣れていない。もちろん守備だけでなく、強い相手に対して攻撃に行くことは、さらに難しかった。

しかし天は二物を与えずというか、特に日本では、まだ選手の役割分担がはっきりしている。モダンなサッカーに追いつくには、攻撃も守備もできる選手を増やしていかないといけない。

カメルーン戦後 オシム監督会見(スポナビ)


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