チェルシー×バルセロナ(テレビ観戦記)
美しいカウンター、GKが見送るだけしかない技ありのシュート、劇的な展開、スタジアムにこだまする大合唱、生放送で見てたら興奮して倒れていたかも・・・。
アウェーにもかかわらず試合開始からバルサらしくボールを支配、でもチェルシーのお手本のようなカウンター1発に先制点を奪われてしまう。これを機にバルサはより前がかりの意識が強まったように感じました。そして開始20分で連続3失点、あぁ・・・・
時間はたっぷり残っていたのに・・・、冷静に考えてみるとそう思わずにはいられないのですが、これが攻撃型チームの宿命なのか、アウェーで浮き足立ったのか、アウェーゴールを奪われていた重圧なのか・・・。
トータル2−4で、アウェーゴールまで許している、そんな絶望的な状況からバルサは反撃にでます。でももしライブで見ていたら(結果を知ってみている地上波組です)、カウンターに手を焼きながら、あの堅固なチェルシーから2点を奪えるとはとても思えなかったに違いない。
でもそこはバルサ、ラッキーなPKから1点差に迫ると、再び怒涛の攻勢が始まります。あと1点!世界中のバルサファンがコブシを握り締めたに違いない!
同点にされるとアウェーゴールの差で負けてしまうチェルシーも最終ラインを分厚くして対抗します。
なぜあの状況であんなシュートが!?サンバを踊っているかのような遊び心あふれるフェイントは、早速ネットで「サンバシュート」と呼ばれていました。NHKの刈屋さんだと、「ロナウジーニョがロナウジーニョであることを証明したシュート」とでも形容したのでしょうか?
PKの時はあわやという動きを見せたチェフ(自分的には彼がこの試合のMIP)も、このシュートだけは、ただ見送るしかありませんでした。世界でほんの数人だけに与えられたフットボールの天賦の才能にため息がもれた瞬間でした。
やっと前半終了 お茶飲みます 旦~
さて今度はチェルシーに得点が必要な状況になりました。しかしこの状況になってもチェルシーは、依然として引き気味。カウンター戦術をベースに奪った前半の3得点をイメージしているかのようです。一方のバルサは、リードを奪ってもボール支配率の高いフットボールを目指します。
得点こそなかなか生まれませんが、後半も両チームが持ち味を存分に発揮し決定機を演出していきます。
録画放送で結果が分かっているのに自分の緊張感がどんどん増していきました。でもスタジアムには不思議なほど重苦しい雰囲気はありません。応援するチームの勝利を信じて声援を送り続けるサポーターはほんと素晴らしかった。
バルサの方により得点の匂いが漂っていましたが、チェフが好セーブを連発します。ここでバルサが得点していれば試合は終わっていたはず・・・。
最後まで望みをつなぎ続けたチェフの好守がこの試合のターニングポイントだったのかもしれません。
そして最後に得点をあげたのはチェルシーでした(涙)
守備的、引き篭もりと揶揄されることの多いチェルシーとモウリーニョですが、バルサの攻撃的なフットボールに匹敵する実に美しいカウンターを披露してくれました。とくに1点目と3点目の美しさには痺れてしまいました。
残念ながら攻撃型のバルサは負けてしまいましたが、これもフットボールです。バルサは美しく散ったと思うのです。
夜になって改めて読み返してみると、あたかもチェルシーが守備的なフットボールをしたかのように読めてしまうことに気づきましたが、それは本意ではありません。
もともとバルサとチェルシーではベースとなる戦術が違っていて、それは例えばプレスを掛け始める高さに現れています。昨日のゲームでは、チェルシーも高い位置からスペースを消そうとしていましたし、そのことはカウンターから得点に至ったシーンによく現れています。
一方のバルサは、ポゼッションを重視し敵陣奥深くで試合を進めようとするので、攻撃時にボールを失った場合は必然的により高い位置からプレスを掛けることになります。
そういう点をうまく表現できていなかったかなと...。