日本6−0インド

今回のオリンピックで一番はまったのがカーリング。多分にビジュアル的なものもあるのだけど、なんといっても天国と地獄をいったりきたりのスリリングな展開にしびれた。そして刻々と変化する過酷な状況の下で、選手たちが懸命に戦ってくる姿が画面を通して伝わってくる。そんな姿が心地よく、日を重ねるごとに引きずり込まれしまい、結局すべてのゲームを見てしまった。


サッカーでも同じで戦う選手が好きだ。もちろん表に出てくる選手もそうでない人もいるが、自分的には、インド戦でいえば巻と長谷部だった。巻が前線からの献身的なチェイシングで日本に流れを呼び込み、長谷部も積極的に動きともすれば硬直的になりがちな中盤にリズムをもたらす。この2人からは代表に残るんだという強い意志と気迫を感じることができたから。


そんな2人がチームを活性化したのかどうか(もちろん他の要素もあるに違いないけれど)、内容的にもアメリカ戦の立場がそっくり入れ替わったかの様で、結果も日本の圧勝。アジア相手には常にこれくらいのパフォーマンスを見せて欲しいのである。


さて気になった記事。

川淵キャプテン酷評(報知)


日本サッカー協会川淵三郎キャプテン(69)は試合後「相手を探してのパスが多すぎる。もっと思い切ったプレーがほしい。けが人が出なかったことだけが救いだな」と前半チャンスを外しまくった日本代表を酷評した。試合中には珍しくスタンドからブーイングも起こったがキャプテンは「僕だってしたかった。つまらないパスミスやたるんだプレーにはもっとたくさんしてほしい。ジーコもこたえるだろう」とサポーターと同じ不がいない気持ちで試合を観戦していたと語った。


「シュートを打つにも全部とめて打ってるから相手に全部読まれてる」とダイレクトプレーの少なさに不満そう。さらに久保についても「90分やったことが収穫。今日みたいに守備もしないでいいFWなら誰だってやってて楽しい」とばっさり。

他のスポーツ紙が伝えていないので紙面通りの発言かどうかはわからないけど、内容はジーコ就任以来ずっと言われ続けてきたこと。名前があがった選手の問題ではなくチームとして解決すべきことで、今になってこういうことを言うくらいなら「なぜ監督を・・・」と思わずにはいられない(笑)


このゲーム、日本は圧倒的にボールを支配していた。にもかかわらず個々の局面ではフォローが少なく孤立するほうが多かった。ジーコのチーム作りはブラジルテンポのゆったりとしたもので、テクニックのある選手をより重要視した起用をしている。もちろん最後は個人のアイデアやテクニックで打開することになるのだけど、守備組織がきっちり整った強豪相手にインド戦のようなパフォーマンスが期待できるだろうか。ある程度まで組織で崩す動きがないと、結局は少ないチャンスを生かすだけのフットボールになってしまうことを恐れてしまう。


守備についてもFWだけを責めてよいものかという疑問はある。あたりまえのことだけどFWは中盤以降が守備をしやすようにチェイシングしパスコースを限定し、後ろの選手はFWが効果的なプレッシャーをかけれるようにパスコースを切ったりマークに入る。今の代表は行き当たりばったりの守備で、そんな基本的なことをおろそかにしているように映ってしまう。


よく今の代表にはベースとなる守備戦術がない趣旨の感想を書いてきた。テクニック重視の選手選考の弊害と言わないまでも、攻守の切り替えがスムースでないのは守備組織を構築する以前の問題だと感じざるを得ない。単に自分の好みだけど、モチベーション高く献身的なプレーをした選手に次のチャンスはあるのだろうか・・・。