甲府はお金を払う価値があると思った。

千葉2−2甲府フクアリ


甲府の4−3−3が個人的に思い入れのあるシステムということもあるが、入替戦で衝撃を受けた甲府をとにかく生で見たかった。千葉もリスクを冒して攻めるチームなので面白いゲームを期待して去年の最終節に続き遠路フクアリに参戦したら、甲府のチャレンジするフットボールを堪能できて満足。と同時に、もっと多くの人にフクアリに来て欲しかったなと。


4−3−3でもオランダがワイドに開いて1対1の強さを生かす傾向が強いのに対して、甲府はコンビネーションで崩すことを志向しているようだ。良い時間帯は前の5人がW型、M型と変化をつけ、中盤の底やサイドからのサポートで分厚く攻めていた。そして複数の選手が相手守備より先にアクションを起こしてスペースを作り、相手が嫌がるバイタルエリア付近の高い位置でボールを回し、崩していく。この点だけを取り上げれば、ポゼッション・サッカーのお手本を見ているようだった。


ただ攻撃に軸足を置いているので守備には負担がかかる。甲府の弱点もそこにあり、開幕の清水戦ではカウンターから失点を喰らっていたし、このゲームでも危ない場面が何度かあった。そして一旦受身に立つとなかなか押し返せず、千葉の時間帯が長く続いていた。でも守備が整備できれば、かなり面白い存在になりそうな予感がする。


もし甲府のスタイルに個の強い選手を集めて守備を整えるとバルサに近くなる。突っ込みどころだらけで、かなり強引で、相当誇張した表現だけど(笑)。それほど日本ではインパクトのあるスタイルで、他にこんな表現ができるチームは存在しない。オシムたんもインタビューでこんな言葉を使っているけれど、自分が甲府サポなら幸せだろうな。

Q:天皇杯以来の対戦となった甲府のサッカーについて(千葉公式)
「J1らしくないプレーをしている。非常に勇気を持って攻めている。戦術的にも、とても勇気のいるサッカーだと思う。うちは、その裏を突けなかった。あのようなプレーをしていくのは、とても興味深いしサッカーにとってはよいことだと思う。普通とは違うサッカーをしていると思う」


ゲーム自体は、千葉が確実に決定機をものにしていれば結果は違っていただろう。後半途中からストヤノフが攻め上がりを抑えて最終ラインであまる形にしていたが、前線からの圧力が小さくなって甲府につけこまれる隙を与えてしまったのかもしれない。でもそれは結果論であって、よい頃の千葉と比べて人とボールの動きが小さく、スピードが落ちていると感じた。豊富な運動量をベースにしたムービングという特徴が発揮しきれていないように映ったのである。オシムたんファンとしてはなんとも残念・・・。


(´-`).。oO(藤田見たかった...宇留野と杉山面白かった...佐藤勇...)