イエメン戦代表メンバー発表

イエメン戦のメンバーが発表された。(JFA)


GK 川口、山岸
DF 三都主、坪井、加地、闘莉王、駒野
MF 中村直、羽生、遠藤、鈴木、阿部、山瀬、佐藤勇、田中隼、小林、長谷部
FW 巻、我那覇、佐藤寿、田中達、坂田


CBが2人しかいないが、中東のイエメンが自陣深く下がって守備的に戦うことが予想される。ゴールをこじ開けるために攻撃的な布陣を敷きそうだが、阿部、駒野はJリーグでもCBでプレーしているし、千葉でやっていた2DF+1MFで阿部を下げるのかもしれない。


オシムたんが指揮した千葉では、DFは相手FW+1が基本形だった。2トップなら2DF+(本来の意味での)リベロ、1トップなら1DF+リベロを基本に相手のサイド攻撃は両サイドのMFが4バック気味にケアする。日本には純粋な3トップのチームは稀だけど、1トップのケースに準ずることが多いように記憶している(これは印象だけで、DF3枚入れていたかも)。


同じ「+1」でも、ジーコがDFの選手交代によってシステムを変更していたのに対し、オシムたんは流れの中で対応できるように一人のDFにユーティリティ性を求めている。いろんなフォーメーションで、いろんなポジションを経験している選手が優先されるのだろうな。


DFには、ボールを動かせる能力も期待されている。CBの専門職1枚とリベロ1枚は常にピッチ上にいたが、3バックでもMFタイプの選手がCBに起用されることがある。リベロだけではなく、CBも攻撃参加できるタイプが起用されそうだ。もし4バックなら、トリニダード・トバゴ戦のように、MFタイプになるのかな。


MFには様々なタイプの選手が選ばれているが、共通点はやはり走れること。個人の戦術理解度、ピッチ上で起きた現実に素早く対応できるオフザボールを含むプレー選択能力の高い選手が選出されていて、個人の技術よりもチームプレーを優先するヨーロッパ的な方向性がうかがえる。


オシムたんの千葉では、ポジションは常に流動的に動いていた。中盤の底の選手がペナルティエリア付近でポストになったり、シュートを打ったかと思えば、最終ラインに入ってDFをカバーしている。オフザボールの動きにも質の高さが求められるし、トップ下の選手もサイドの選手もまた同様(というか全てのポジションで同じかw)。代表も必要な時に必要な場所に居られる能力の高い選手が、優先されているように感じる。


個人的には羽生、佐藤勇が選出されたことが嬉しい。千葉の中でも走るサッカーを引っ張る選手で(坂本の名前がないのが淋しい…)、実際にスタジアムで見てこそ楽しい選手。以前から3人をセットで代表に見てみたいと書き残してきたが、ほんの一瞬だけでもいいから実現して欲しいなと。


FWについては、オシムたんは日本人FWの決定力を考慮して、特定のFWに頼ったチームを作らないと思う(笑)


もちろん日本人の中では決定力があるFWが選出されているが、世界レベルでは個人の局面打開力や突破力を意味しない。バイタルエリアで起点になれる、サイドに開いて攻撃に幅を持たせる戦術的なセンスと、DFラインの裏をつくスピードとアジリティを重視した選考になっており、実際の試合でもそんな組み合わせになりそう。


オシムたんのサッカーは、しばしばリスク・チャンレンジという言葉で語られる。選手選考もやはり、全てのポジションで自らアクションを起こせるなど特徴が出ていると思う。年代別代表は別として、1人の選手に過度に依存したチームやリアクション系のチームからの選出が少ない。他にも選ばれていい選手がいると思うが、これは監督との相性や対戦相手と関係があるので、必要になれば呼ばれるのかなと。そういう意味では、灼熱の中東のアウェーに誰を選出するか楽しみ。


オシムたんは、「日本は才能のある選手が走らない」ことを「習慣」の問題と考えているらしいが、その通りだと思う。ただ現実には、今回「走れる選手」として選ばれた全員が4年後まで残っていることは想像できない。それでも1試合でも多く選ばれてライトなファン層を驚かせて欲しいし、若くて新しい名前が早く出てくればと願う。


(´-`).。oO(今の中継方法だとオシムたんの面白さが伝わらない...)