日本 0−1 ガーナ

気持ちのこもったプレーは清々しかったが、チーム力の差を正直に反映した結果になってしまった。それでも日本の大健闘で、見所の多い試合だったと思う。


監督は変わっていたが、日本で開催される親善試合としては珍しくワールドクラスのメンバーが揃ったガーナ。WCの時のようにラインを高く設定しコンパクトに守り、フィジカルを生かした厳しいプレッシングからセンターの上がりを中心にショートカウンターを狙うスタイルも健在だった。しかしWC同様にフィニッシュが雑で、DFの裏に走るスペース、崩すスペースがあった。


日本は立ち上がりこそ押し込まれたが、ロングフィードから相手守備陣に裏を意識させるとともに、前からプレスを効かせて徐々に持ち直す。FWのポストプレーから、中盤のサントス、駒野、鈴木啓太、最終ラインから今野、水本が飛び出し、サイドを絡めたタッチ数の少ない攻撃が何度かガーナ・ゴールを脅かす場面もあった。
流れの中で3−5−2、3−6−1、3−4−3、4−4−2と流動的にフォーメーションとポジションを変えながらの全員攻撃と、ピッチの至るところで激しいフォアチェックからの全員守備。オシムたんの狙いとすることが、具体的な形となってピッチに表現されていたように思う。


そういえば、オシムたんが千葉の監督に就任した年にこんなことを言っていた。(千葉公式オシム語録)

■2003年7月12日 仙台戦後の監督会見で、「監督には、選手のポジションの先入観はまったくないのか。」の問いに

ポジションうんぬんというより、コンビネーションによるトータルサッカーを目指したい。まだまだジェフは程遠いが、夢を見るわけではなく、しっかりとした自分たちのものを作りたい。


このチームは、コンビネーションを熟成させていけばまだまだスピードアップできるし、緩急の差を利用できる。流動的なポジション・チェンジは様になり始めたが、バランスを取ることに苦心してダイナミックさが足りていない。
さらなる運動量が要求されることは勿論のこと、選手は流れの中での戦術眼、ポジションにとらわれない攻守両面のオールラウンドな能力、そしてピッチをスペースの観点から俯瞰する能力(これが千葉の選手の優れている点だと思う)を磨く必要があると感じた。


チームとしても個人としてもまだまだリスクを冒しきれていないが、それでも方向感を感じることができたゲームだったかなと。


ガーナ戦前日 オシム監督会見(スポナビ)
ガーナ戦後 オシム監督会見(スポナビ)
試合前日 ガーナ代表クロード・ルロワ監督会見(スポナビ)
試合後 ガーナ代表クロード・ルロワ監督会見(スポナビ)


(´-`).。oO(ちょっと好意的にすぎるかも...アフリカの進歩は早いや...)