下部組織出身選手 "locally trained players"

3日のエントリで、チーム生え抜き選手"Homegrown players"としてレポした件ですが、概要が明らかになりました。以下はUEFAの該当ページをまとめたものです。

後述の2つの理由により、UEFA主催の欧州チャンピオンズ・リーグ、UEFAカップでは、下部組織(日本で言うユース)出身選手の数について以下のルールが適用されます。
また各国のフットボール協会が同意すれば、国内リーグでも同様のルールが適用される可能性があります。

■新ルール

2006/07シーズンからUEFA主催の競技に参加するチームは、25名のうち2名は自チームの下部組織出身選手、2名は同じ協会(同じ国)の下部組織出身プレーヤーとする。

2009/09シーズンは25名のうち、下部組織出身選手および同じ協会の下部組織出身選手を各4名以上(最低で8名)とする。

*下部組織出身選手とは、15−21才の間に3シーズン以上登録された選手。外国籍の選手であってもそのチームの下部組織で育成を受けていればOK。
*25名は文脈から登録選手数を25名に制限することと理解できます。

■導入目的

UEFA主催競技でも国内リーグでも、特定のチームだけが栄誉を争う状況が長く続き、チーム間の競争が少ない状況に陥っている(3日のエントリでは競争バランスの改善という言葉が使われていました)。
また一部のチームが膨大な数の選手を囲い込んでしまい、他のチームが選手を獲得することを困難にしていたり、有力選手がベンチにいてプレーできない状況を改善できる。そしてクラブの財務面にもプラスに働くと考えられる。
ボスマン判決以降(1995/1996シーズンと比べて)、自国のリーグでプレーする下部組織出身の選手が30%減少していることも今回の提案の背景にあるようです。

この問題には、巨大なリーグやビッグクラブの反対もあるようですが、UEFAは法令面の問題を含めて着々と準備を進めています。

既成概念をぶち壊すような提案が、少なくともUEFA主催競技ではルール化されました。以前にビッグクラブが独自のリーグを立ち上げようと試みたこともあり、今後どうなるか興味深く注目していきたいと考えています。

#日本語ページは週明けになるので、多少言葉が違ったりすると思います。