川口の骨折...

川口が骨折した。

私はGK未経験者ですが、彼はジーコのサッカースタイルに適さないと思っていた。やはり身体的なハンディによる、ゴールマウス上の守備範囲の狭さとか(といってもボール半分とか3分の1の世界ですが)、ハイボールへの対処とかが・・・。

彼の特徴は日本のGKにはないスイーパー的な能力だと考えていたが、海外を転々とする間に彼のプレースタイルは変わっていた。ゴールエリア内にいることが多くなり、以前のように飛び出す必要のないボールにまで反応することがなくなっていた。最初の頃は、これなら楢崎の方がいいのではと正直思っていた。

講談社現代新書ゴールキーパー論」の言葉を借りると、GKの醍醐味は敵にシュートを打たせないことだという。相手の戦術を読み、味方DFに的確な指示を出し完封してしまうことが最高のゴールキーピングなのだとか。それゆえ欧州では「GKが戦術の中心である」とまで認識されている。

たった一つのミスが敗戦につながってしまうこのポジション、少年チームでは一番運動能力に優れ、責任感の強い子供が選ばれるという。GKは子供たちの憧れのポジションであり、多くの子供がGKのグラブを持っている。

川口が具体的にどのようなコーチングをしているかは分からない。ただ楢崎の怪我でつかんだチャンスを見事にものにし、正GKのポジションをつかんだ。試合を重ねて今のメンバーとの経験を共有したのだろう、DFとの連携はうまくいっているようにも思える。

そんな彼は、アジアカップの劇的なPK戦以降のメディアによるヒーロー扱いに戸惑いを覚えているのではなんて想像している。一番ドラマチックであってはいけないポジションだから。(でもメディアもサポもドラマティックなのが好きだから仕方ないのかな)

さて全治1ヶ月と診断された今回の怪我、川口がイラン戦、バーレーン戦に出場できるかどうか微妙だ。でも幸いにも今のメンバーと試合数をこなしてきた楢崎がいる。
あとは前々回の予選を経験しているあの人がなんとかなれば...。