アウェーゴール・ルール

「引分け」は、フットボールの魅力の一つだと思います。勝利チームの勝ち点が3になってからは引分けの価値が下がってしまいましたが、全力で戦うことが目的で勝ち負けは時の運、そういうスポーツマンシップが根底にあるとも言われます。

さて明日から再開されるCLの決勝トーナメント、今さら説明するまでもなく「ホーム&アウェー」の「アウェーゴール・ルール」で雌雄を決しなければなりません。

戦い慣れたピッチ、ホームの熱狂的な応援という環境面のアドバンテージ、そしてレフリーもたまにはホームに有利に笛を吹くでしょう。そういうハンディとも戦うことが要求されるアウェーチームのゴールには、少しご褒美をあげましょうというルールです。

ものすごく大雑把に言ってしまうと、1勝1敗や2分けの場合に限りアウェーゴールは2倍の価値になります。もともと少ない点数を争うフットボール、このルールのお陰で様々な駆け引きが行われ、時には無限の面白さを演出してくれたりします。

例えば2年前のCL、下の表のような壮絶なゲームもありました。第1戦はホームのリバプールが最少得点差の1−0で勝利、しかし第2戦は前半から試合が動き始めます。リバプールが42分にアウェーゴールを奪い有利になったのですが、攻めるしかなくなったレバークーゼンが執念で追いかけて、最後は壮絶な打ち合いになっていくのです。

このゲームは得点経過も面白いけど、得点の度に試合がぐぐっと動いていく様子がたまりません。アウェーゴール・ルールの醍醐味が凝縮されたこのゲームをライブで見た両チームのファンは、歓喜の雄叫びと絶望を繰り返したに違いないのです。

テレビ中継される、バルサvsチェルシーがこんな展開にならないかなと・・・

2002CL準々決勝
リバプール vs レバークーゼン(BL、スコア右側)

第1戦(リバプールのホーム)
   スコア  TG   AG 
44分 1−0 1−0    (リバポはBLにアウェーゴールを許さず)

第2戦(レバークーゼンのホーム)
   スコア  TG   AG 
18分 0−1 1−1    (BL先制するがまったくの五分)
42分 1−1 2−1    (リバポ得点、総ゴール数でリバポがリード)
64分 1−2 2−2 1−0(BL得点、アウェーゴールでリバポがリード)
68分 1−3 2−3    (BL得点、総ゴール数でついにBL逆転)
79分 2−3 3−3 1−0(リバポ得点、アウェーゴールでリバポ再逆転)
84分 2−4 3−4    (BL得点、総ゴール数でBL再逆転)
TGは2試合通じてのスコア、AGはアウェーゴールスコア

縁起でもないリバプールの例を出してしまったよ(´・ω・`)