むぅぅ(日本2−2中国)

ちょっと評価の難しいゲームになってしまいました。ジーコや選手はもちろん勝つつもりで試合に臨んだのでしょうが、明らかにテストという側面もあったわけです。ここまでまったく別のチームだとこのゲームの持つ意味をどう理解するか、その解釈やウェイトづけ次第でかなり評価が分かれるのではと思います。

自分は元々この大会はテスト重視で勝敗に拘らない派だったので結果はどうでもよいのですが、今日先発し、テストされた選手たちはどういう気持ちでプレーしたのでしょう。もちろんチームの勝利は必要ですが、自分のプレーも積極的にアピールしたい。セレクションに臨むような気持ちでプレーしていたのではと想像します。

全員入れ替えという方法、これがジーコが就任間もない2年前の大会ならこういう方法も理解できますが、WCまで1年を切ったこの時期のテストとしては、現在の主力メンバーとフィットするかどうかという点に重点をおくべきだったと考えています。

そのためには、少なくとも半分程度は主力を残しておく必要があったのではと考えるのです。主力が抜けたこの1試合でよかったからと言って、肝心の主力とフィットするか、そして1段上の世界レベルで通用するかはまったく別問題なのだから。

普段から勝負に拘るジーコです。主力を韓国戦に向けて休養させる以外にどんな意図があったのだろうと、解釈に悩むわけです。

内容としては、日本がいい形でゲームに入ったのですが、肝心のゴールが奪えない。まあそれも急造チームのコンビネーションの問題をある程度割り引いて考える必要があるでしょう。

ゴールを許してからは、オレが、オレがの意識が次第に強くなっていったのでしょうか、それとも急造チームの限界だったのしょうか、チームとしての共通意思が薄れたように感じました。そして、スタート直後の冴えた早いパス回しも徐々に姿を消していきました。あれほど機能していた駒野、今野も時間の経過とともに消えてしまい、とくに後半途中で巻が交代してからは攻め手を失ってしまいました。そして大黒、玉田が入ってもなんら機能することなく終わってしまいました。

そんな中で田中達のゴールでかろうじて負けを逃れたのですが、積極的に1対1を挑む姿勢やゴールを奪った結果は高く評価できました。ただチームとしての連携が今一つだったことをどう考ればよいのか、彼がそのことを意識したときに彼の持ち味が生きるのか。これまた悩むところなのです。

もちろん当落線上でプレーする選手の気持ちを考えれば、そうなってしまうのも仕方ないのかなと思っていますが・・・。

以下、今日の試合がテストだと考えてポジション別に寸評です。

GK:
奪われた2ゴールは、どちらもノーチャンスでしょう。経験の少ないDF陣をまとめ切れなかったというのは酷ですが、やはりそれなりに責任を負うべきだと思います。

DF:
ジーコの守備戦術にまずまず対応できていたのではないかと(ラインの高さの点に関してはいつも通り不満はありますが、これはジーコの責任だと考えていますw)。ただレギュラー組に迫るまでは物足りない。
実は宮本が中国の高さにどう対応するか、それが一番興味があったのですが・・・。それはともかく、最終ラインまで変えて試合に臨んだのはどうかと思いました。

MF:
開始からゴールを許すまでの間、阿部と今野のコンビはほんと素晴らしかったです。北朝鮮戦よりよっぽど機能していると思いました。分からなかったのが、リードされてから逆に動きが低い位置に止まったこと。中国が3ラインを保っていたのでしょうが、DFラインではなく二人がボールを持ってリスク・チャレンジしていかないと。現実的には小野、あるいは中田とコンビを組む選手の争いになるのでしょうが、二人には最後までポジションを争うチャンスを与えて欲しいと思います。
前半の駒野は期待通りにスピード感あふれる攻め上がりを見せてくれたのですが、中国が引いてしまった後半はあまり機能しませんでした。このあたりは個人の問題というよりもチームの課題として考えるべきかなと。
村井も期待通りのクロスを上げてくれました。ただ巻が交代してからは目標を見失った感がありました。サントスと交代したのですが、この二人はもっと競わせるべきだと思います。守備の面では村井の方がはるかに安心して見ていられたのは、自分の先入観だけではないと思います。

FW:
これは自分の好みなのですが、流れの中でポストにもなれるストライカーを真ん中に置いておきたいというのがあります。そういう意味で巻に期待していたのですが、ジーコが今日のプレーをどう判断したか。暑く湿度が高い中でよくやっていたと思うのですが、駄目なんだろうな・・・。
大黒、玉田が交代で入ったのですが、あまり機能しませんでした。二人ともドンと構えるCFがいたほうがよいのかもしれません。そういう意味で、大黒マキ(大黒+巻)、出し巻き(玉田+巻)も試してよかったのではと思います。ただ少なくとも玉田は、相手が引いてしまってスペースがない局面で使う選手ではないと思うのですが・・・。
大黒は、よりスペースへ飛び出せるし、自分がゴールできなくともまだ周囲を生かせる選手だと見ているのですが、あれだけスペースがなく、押し上げがないと個人の打開力だけでは辛いものがありました。
田中達は先に書いたとおりです。