中村のゴールに思うこと

サッカー解説者がよく使う言葉に「FWの決定力不足」がある。その指摘自体は間違いではないし、反論しようとも思わない。ただ、得点力不足があたかもFWだけの責任のように繰り返しすだけではなんの解決にもならならいし、FWへのネガティブな印象が残るだけかなと。

その指摘自体は間違いではないし、反論しようとも思わない。ただ、得点力不足があたかもFWだけの責任のように繰り返しすだけではなんの解決にもならならいし、FWへのネガティブな印象が残るだけかなと。FWは、もっともゴールを要求されるポジション。ポジショニング、スペースメーキング、守備面の貢献、ゴールへの意欲などは、各選手の特徴としてチームを作り上げる際には考慮する必要があるけれど、結局は、ゴールという結果が評価の大きなウェイトを占めてしまうのもしかたない。

自分がストライカーの条件と考えていることの一つに「2試合に1点以上のペースで、コンスタントにゴールする」ことがある。

でも日本人FWの現実は・・・。JリーグでそんなFWは、大黒しか思いつかない。海外では、大久保はスペインの下位クラブでレギュラーなんだけど、高原、柳沢はサブの地位に甘んじてしまっている。

それで、強豪国でレギュラーポジションを獲得できる?世界の舞台で、ここ一番でどれほどゴールできる?シェフチェンコアドリアーノみたいな仕事が期待できる?

2試合に1点のペースでゴールするFWは、かなり優秀だと思う。それでも1試合あたりのゴール期待値は0.5点にしかならない。そして、2トップに並べても2人で1点しか期待できない。

う〜ん、かなり乱暴な計算だなぁ・・・w日本人FWの現状を擁護をするつもりはないし、実際、奮起してほしいんだけど、それが現状だということを改めて思い出してみたり・・・。


ところで世界に目を向けると強い国、クラブには、必ずと言っていいほど決定的な仕事のできるMFがいる。

ブラジルのロナウジーニョにカカ、アルゼンチンだとリケルメアイマール、フランスのジダン、イタリアのトッティ、ドイツのバラックイングランドだとジェラードやランパード、他にもデコやネドベドとか・・・。そして古くは、クライフ、プラティニマラドーナジーコなど挙げていけば切りがないのだ。

彼らはかなりの得点力も兼ね備え、バイタルエリアでも輝ける選手たちだ。だからFWも楽になるし、相乗効果でチーム全体の得点力も増していく。サッカーはそんな単純なものではないけど、そういう面は否定できない。

日本人はとくに欧州の選手に比べて、フィジカルの面で劣っている。だから無意識のうちにバイタルエリアを避けているとは思いたくないが、2列目、とくにトップ下と言われるポジションの選手は、そこで勝負し、決定的な仕事が出来ないとお話しにならない。

世界的な流れとしては、ゲームメイクの役割はより後方に下がり、トップ下のポジションは、第3のFWとしてのウェイトが高まっている。

中村が4戦目で挙げたゴールは、流れの中でのファイン・ゴールだった。彼がトップ下と呼ばれるポジションに拘るのであれば、流れの中で数多くあのようなゴールに拘る必要もあると思う。

幸いセルティックは、そういう感覚を磨くには打ってつけのクラブのようだ。なので今シーズンの彼には、3試合に1ゴール、2試合に1アシスト!それくらいの活躍を期待してみよう。