WC開幕

○ドイツ 4−2 コスタリカ


ドイツが開催国らしく立ち上がりから攻勢にでた。ラインを上げてゾーン&ラインで守るよりもさらに激しく、極限までコンパクトに保ちボールホルダーにプレスをかけて、アタッキングサードやハーフウェー迄にボールを奪取しての速攻。この狙いが実を結びドイツが早々に先制する。


いい形でゲームに入ったドイツが終始ペースを握っていたと言えるが、開幕前から不安視されていた守備のほころびも具体化してしまった。ほぼ一方的に押し込まれたコスタリカではあったが、前線からのプレスが甘くなる瞬間を捉えたカウンターが幾度かドイツゴールを脅かす。FWの身体能力、とくにスピードの面でドイツDFに対して優位にたっていただけに、戦術的に洗練されたチェルシーのようなカウンターがあれば、どちらに転んでもおかしくない試合になったかもしれない。


かつての重厚な守備からサイドアタック中心の理詰めな攻撃という印象が強いドイツであったが、リードを奪った後も開催国らしいアタッキングの姿勢は変わらなかった。クリンスマンが監督になって格段にドイツのフットボールは面白くなっていたが、勝ち進むにつれて対戦相手のレベルは上がっていく。その時にこそ、新しいドイツの姿の真価が問われそうだ。


ポーランド 0−2 エクアドル


欧州開催なのでポーランド有利と予想していたが、南米のチームに負けるときの典型的な姿で、エクアドルのゲーム運びの巧さにまんまとはまったという感じだった。


エクアドルが先制するまでは興味深いゲームだった。自分の予想とは逆にエクアドルが前へと仕掛ける守備でスタートするが、圧倒的な声援を受けるポーランドが徐々に攻勢にでる。ただポーランドの守備は南米の個人技を警戒したのか、個人へのプレッシャーは緩く、前半は押さえ気味にパスをカットを狙うプランだったかもしれない。


拮抗した展開が続くが、思いがけない形でゴールが生まれると、エクアドルにカウンターの意識が高まったように感じた。ポーランドが後半になって分厚く攻め始めるがアイデアに乏しく決定機につながらない。うまくいなされているうちに失点し、この時点でゲームの興味は薄れてしまった。


この試合、レフェリーの上川さんの笛も気にかけていた。開幕戦のような玉際の激しさがなく、コントロールしやすいゲームだったかな。少しナーバスな面も見られたが、まずは無難なレフェリングだったと思う。プレミアと比べればまだまだ流せると思うが、Jで時折見られたねずみ取りの取締りのようなエキセントリックさは感じなかった。常にこれくらいのパフォーマンスを期待したいなと。