情熱大陸

遅ればせながらオシムたんの情熱大陸を見た。
一番印象に残ったシーンは、5月のアウェー横浜M戦を引き分けた後、「いい試合でしたね」と問いかけられて答えた次の言葉。

「いや『いい試合』という程ではなかった。最近のサッカーには『いい試合』が少なくなっている。どのチームも全ての試合で結果ばかりを求められている。だから美しいプレーやエレガントなサッカーができない。そこが問題なんだ。」


これまでにどんなサッカーに触れてきたか、そしてどんなサッカー観を持っているかによって、『いい試合』や「理想のサッカー」は違ってくる。人によって先のワールドカップや時にはジダンの愚かな行為についてさえ評価が異なり、そしてオシムたんのいう「日本らしいサッカー」についても様々な解釈がネット上に飛び交うことになる。


初期のジーコは、美しく、楽しいサッカーを目指していた(と感じていた)。少々バランス的には微妙だったが、初戦のジャマイカ戦ではこのサッカーを突き詰めていけば!?なんて期待を抱かせてくれたし、WC予選のアウェー・バーレーン戦やコンフェデのギリシャ、ブラジル戦など、素晴らしいパフォーマンスを発揮したこともあった。しかし結局は、理想と現実のギャップに悩まされ続けた4年間になってしまったように思える。


別の番組でピクシーが「オシムは美しいチームを作る」と言っていた。そしてオシムたんは「サッカーを壊すのは簡単だ。戦術的なファウルをしたり、引いて守ったりして、相手のいいプレーをぶち壊せばいい。作り上げる、つまり攻めることは難しい。」と言う。


実際にオシムたんが3年余り指揮した千葉は、人とボールが動くムービング・サッカーで、素早い攻守の切り替え、走力を生かしたポジショニングのよさ、中盤以降からの攻め上がり、ダイレクトプレーを多用した崩しといった組織的な連動性に自分は美しさを感じ、リスクチャレンジするスピリットを好感していた。


しかし、以前に千葉の阿部も「オシムたんの言っていることを理解するのに2年かかった」と発言していたように、作り上げることは容易でない。しかも今回からアジアカップは1年前倒しされたので、来月には真剣勝負が再開される。結果を求められる新監督は、理想とするサッカーと二兎を追いかけながらチーム作りを進めていかねばならない。


もちろん引き出しの多いオシムたんなら、なんとかしてくれると期待している。でも彼が提示する日本のサッカーのスタイル、そしてそれを選手とともに追求し、作り上げていく過程をより楽しみたいと願っている。


U-21日本代表候補選手を発表(JFA)
A3他の関係で多少メンバーが欠けているが、J2からは選びづらいのかな。


(´-`).。oO(90WCのユーゴの試合を再放送して欲しい...)