サウジ戦のインタブー

オシムたんのサッカーについて聞かれたら、「人とボールが動くムービング・サッカー」と答えることにしている。
でも、ほとんどの人からは「ふーん?」という反応しか返ってこない。これまでの3試合では、その片鱗しか見せていないから、それも仕方ないのかなと。
それで、地上波でも中継していた「今年の千葉vs浦和@フクアリは見た?」とか「WCのチェコアメリカ戦)みたいなやつ」と説明しても反応は鈍い。
これが現実なのだと思いつつ、やっぱり淋しいのだ(´・ω・`)


それでオシムたんのインタビュー記事を読んだけど、千葉のときより詳細な受け答えをしている。ほとんど試合内容について語らなかった前任者と違ってわかりやすい。
独特の言い回しが醸しだす語録的色彩が薄れてきたのは残念だけど、新しいサッカーの楽しみ方を発見できる人がいるかもしれない。もちろん、次の試合で課題をクリアしてくることの方が大切だけど(笑)


サウジアラビア戦後 オシム監督会見(スポナビ)


オシムたんは「全体的な内容は悪くなかった」と言っている。確かにアグレッシブにプレーしていたし、チャンスをものにしていれば勝敗はどちらに転んだか分からない。でもカウンター戦術をしかけたサウジアラビアの術中に嵌まったとも言える(サウジの監督の発言は知らないけど)。
だからこの試合についての自分の見方は、五分と五分。「悪くなかった」ことは同意するが、目指しているサッカーとは程遠いと感じているので、決して満足できる内容ではなかったなと。


オシムたんは「中盤により問題があった」と発言しているが、その点は同意。2列目に守備意識の高い遠藤を置くことでサントスとバランスを保っていると想像しているが、二人ともがシャドータイプではない。
そして阿部が最終ラインに入ったので、2列目以降の飛び出しが極端に少なく、縦の関係でのポジションチェンジが少ない。そのことが攻撃を単調なものにしてしまった要因の一つではないかと。
起用される選手の特徴の問題であり、選手起用そのものの問題でもあると思うが、左利きで攻守にバランスよく、そして飛び出せるオフェンシブとなると…。


そしてオシムたんは選手のことを気遣ったのか、全般的に回りくどい言い回しをしているが、どういう選手を必要としているかいっぱいヒントが出ていると思う。
「一種のオートマティズム」、「ネガティブなオートマティズム」、「先を読むことに慣れていない選手」、「背の高い、しっかりしたボールさばきができるストッパー」「すぐにプレーできなくても、控えでいつでも準備ができている」「誰がいないのかな?と味方のことを考えるのではなく、対戦相手のことを考える」などなど。


Jリーグを見ていると「どうしてそこでそのプレーを選択する!?」と、ため息をつくことが多い。そしてオシムたんはスピードを重視しているが、日本人は流れの中でのプレーになると、テクニックが発揮できなくなったり、判断力が落ちてしまう。
これらは日本人のサッカー観や所属チームの戦術や選手個人のセンスの問題であり、代表監督が代わったからといって簡単に解決できるものでもない。


オシムたんの望むサッカーを実現するには、相当時間がかかりそうな気がしてきましたよと。