ダービー

海外生活中にイギリス人から聞いたところによると、イングランドのローカル・ダービーの激しさは「club」という概念が希薄な日本の想像をはるかに越えるものらしい。国によって違いはあるが、ヨーロッパ社会で意識される階級や「club」の設立背景、時には思想や宗教の違いなどが原因となり、そこに集う人には自然と差が生じる。さらには地域的なライバル意識などが長い歴史の中で複雑に絡み合い、それがダービーに凝縮されていく。だから選手やサポーターが属する「club」の名誉や正当性をかけた戦いであって、そこに集う一般のファンを越えて町までも巻き込んだ戦いになるのだという。


画像はウェスト・ロンドン・ダービーで宿敵チェルシーを破ったフラムのファンが、試合終了後にピッチに流れ込んだもの。最終戦後にしばしば見られる光景だけど、シーズン途中では珍しい。豊富な資金力を武器にプレミアを制覇するまでに急成長したチェルシーに対して、歴史こそより古いがタイトルはなく、財政難で新スタジアム建設を断念せざるを得なかったフラム・ファンの素直な喜びが表れていると思うのだ。(りばぽの勝利を見届けて寝てしまったけどw)


今シーズンのマージサイド・ダービーにりばぽが勝利した後で(りばぽとエバートンは運営方針の違いから対立し分離)、ジェラードがこんなことを言っていた。(りばぽ公式)

"It's nice to get the local bragging rights, until the next derby game comes around anyway."

今回の勝利でフラムのファンは、プレミアの順位など関係なく、少なくとも次回のダービーまではチェルシーのファンに対して大きな顔ができるのだ。こんな話しを聞くと日本にも欧州風味のダービーがあればなと思ってしまうし、いつの日か浦和あたりがミランインテルのように2つのクラブに分かれたら面白いのにな、なんて無責任なことを夢想してしまう(笑)


#英国のクオリティ・ペーパー「TIMES」による日本の評価(TIMES)
どうかと思う点も多々あるが、02WCのチームより評価が低くてGL敗退予想 ('A`)